俺は、ただの50代のおっさんだ。
仕事は対人援助と人材育成。
誰かの話を聞いて、問題を整理して、背中を押す。
派手な実績があるわけじゃない。
むしろ、影みたいにひっそり生きてきた。
そして──
日々の不摂生のツケを払う形で死んだ。
いや、マジで。
健康診断の再検査をスルーした結果、
肝機能が“バイバイ”してしまったらしい。
気がついたら、目の前に白い空間と──
神と名乗る人物がいた。
「頼みがある」
神は静かに言った。
「君の世界では評価されなかっただろうが……
君の《トライ・アナライズ》は希少だ。
人や組織、時代、構造を立体的に読み解く能力。
我らの世界では、それが最強の武器となる」
「いやいやいや、俺はただの“気づき力の強いおっさん”ですよ?」
「だからこそだ」
神は深々と頭を下げる。
「どうか、我々の異世界を救ってほしい」
面倒なのは嫌いだ。
だが──頼まれると断れないのが俺の悪い癖だ。
「……分かりました。行きましょう。やってやります。」
そう言った瞬間、光に包まれ──
俺は新しい世界へ放り込まれた。


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