騎士団が撤退していった空を、
ミアはぼんやりと見上げていた。
身体は震えている。
魔力も消耗している。
それでも──
ミアは確かに“やり遂げた”。
俺はミアの肩に上着をかけ、抱き寄せた。
「よく頑張ったな。
もう無理しなくていい。」
ミアは小さく頷き、俺の胸元に額を預けた。
「うん……おじさんが……いたから……」
その姿は、
ギルド全員の胸に刺さった。
■ ギルドからの“異例の提案”
倒れていた騎士団の残りの“聖光”が完全に消えると、
ギルドマスターがやってきた。
あの筋肉ゴリラの男が――
膝をついて、ミアの前に頭を下げた。
「ミアちゃん……
ありがとう。
お前は、町を救った英雄だ。」
ミア「えっ……わたし……英雄……?」
受付嬢も優しく微笑んだ。
「ええ、英雄よ。
あなたの力は……誰にも真似できない。
だから――」
受付嬢は俺たちの前に、一枚の書類を置く。
《正式保護申請書》
──ギルドがミアを守る“法的保護”を与える契約。
ギルドマスターが俺を見る。
「ミアを、ギルドの保護下に置く。
居場所も、身分も、仕事も、守りも用意する。
……だがひとつ条件がある。」
「条件?」
ギルドマスターは真剣な目で言った。
「ミアちゃんを守れるのは、お前だ。
分析士、晴一……
お前が保護者として“正式同行者(パートナー)”になれ。」
ミア「……おじさんと……ずっと一緒……?」
俺「当たり前だろ。
ミアを一人にするわけがない。」
ミアは涙をこぼして笑った。
「……うんっ……!」
ギルドに拍手が起こる。
■ ギルドでの“ヒーロー扱い”
そのあとギルドに戻ると、
冒険者たちの扱いが一変した。
「おっさん!! すげぇじゃねぇか!!」
「ミアちゃん! 英雄だぞ!」
「分析士って……マジで強いんだな……!」
「戦わずに勝つとか……かっこよすぎだろ!!」
ミアは照れながら俺の後ろに隠れる。
(いや……俺じゃなくてミアがすごいんだが……
まあ、そういうことにしておくか)
でもミアは、
この“歓迎”が本当に嬉しかったようで……
袖を引っ張りながら、小声で言った。
「……おじさん。
なんか……暖かい……」
俺「そうだな。
ここは、ミアの“新しい居場所”だ。」
■ 冒険者二人組が声をかけてきた
ギルドの喧騒から、
一人の戦士と、一人の魔法使いが近づいてくる。
● 戦士:ガルド
・30代前半
・短髪で快活
・戦闘は前衛
・実は優しい兄貴肌
ガルド「よぉ、おっさん!
分析すげぇな!
俺、ガルド!
お前らの戦い方……気に入ったぞ!」
● 魔法使い:ルリエ
・20歳
・無表情に見えるが心根は優しい
・知識欲の化け物
・ミアの力に興味津々
ルリエ「あなたの分析……理論が破綻していない。
戦わずに勝つ……非常に興味深い。」
ガルドが笑う。
「俺らのパーティ、ずっと前衛と後衛だけでな。
“頭脳役”が欲しかったんだ。」
ルリエ「あなたのスキルは……
私の魔法とも相性がいい気がする。」
(おいおい……急にパーティ勧誘か)
ミアが俺の袖をきゅっと掴む。
「……おじさん、どうするの……?」
俺はミアの頭を撫でた。
「仲間が増えると、守れる範囲も広がる。
俺たちだけじゃ限界があるからな。」
ミアは安心したように微笑んだ。
「……なら、わたし……賛成……!」
ガルド「よっしゃ!!
これからよろしくな、分析士!」
ルリエ「私も……よろしくお願いします。」
こうして――
俺たちは四人パーティとなった。
■ そして《世界の謎》が顔を見せる
その日の夜、
ギルドが用意してくれた部屋でミアと休んでいると──
俺の視界が再び“立体化”した。
《トライ・アナライズ:自動覚醒》
〈教会騎士団の動き:活性化〉
〈王国の魔力循環:乱れ〉
〈魔獣の異常:増加〉
〈原因:聖印魔法の乱用〉
〈ミアの存在:修復の鍵〉
〈世界の未来:分岐〉
● 滅び
● 再生
〈選択権:ミアと晴一の手にあり〉
(……世界を救うのは“力”じゃない。
“心”と“理解”だ。
その中心にいるのがミア。)
ミアが俺の顔を覗き込む。
「おじさん……顔、怖いよ……?」
「そうか?
なんでもないさ。」
ミアは苦笑して、俺の横に座った。
「……また助けようね。
魔獣さんも、人も……
助けられるなら、何度でも。」
俺は答えた。
「もちろんだ。
俺の分析は……ミアを救い、みんなを救うためにある。」
ミアの瞳が、
まるで光を宿した宝石のように輝いた。
第12話:「消えた森と魔力の穴」(準備中)

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