4話:村が抱える“本当の闇”

第4話

洞穴で一晩を過ごし、朝日が昇るころ──
俺とミアは、森を抜けて“最初の村”へ向かった。

ミアの元いた村だ。

「ミア、本当に大丈夫か?」

少女は下を向いたまま、小さく頷いた。

「……うん。でも、ちょっと怖い」

「いいよ。怖いって言って。
怖がるのは悪いことじゃない」

ミアは少しだけ笑った。
泣きすぎて腫れた目が痛々しい。


■ 村が見えてきた

畑と木造の家。
数十人規模の小さな村。

遠くで子供の笑う声。
鶏の鳴き声。

平和そのものに見える光景。

……だが、ミアの肩が微かに震える。

「ミア、帰りたくなったら言えよ。
無理させるつもりはないから」

ミアは唇を噛みしめた。

「でも……どうしても伝えたいことがあるの。
村のみんな、わたしのこと……誤解してるの」

その言葉に、俺は胸が締め付けられた。


■ 村の視線

村に近づくと、農作業していた男達がこちらを見た。

「あれ……ミアじゃねえか?」

「なんだ、お前……戻ってきたのか?」

その声は“懐かしい”でも“心配”でもなく、
露骨な嫌悪と警戒

ミアは肩を縮こまらせた。

そして──
俺に寄り添い、服の端を握る。

(……なんだこの空気は)

俺の中で、何かが静かに燃え始めた。


■ 村長登場

家の奥から、壮年の男が歩いてきた。

「ミア……なぜ戻った?
お前には村を去ってもらったはずだろう」

言い方は丁寧だ。
だが、その目には“人ではなく害獣を見るような”冷たさがあった。

ミアは震えた声で言った。

「わ、わたし……何もしてないの。
怖がらせるつもりも……傷つけるつもりも……」

「嘘をつくな!」

村長が怒鳴る。
ミアは驚いて一歩下がる。

その瞬間、俺の視界が立体化した。


■ 《トライ・アナライズ発動》

〈怒りの源:恐怖〉
〈恐怖の源:無知〉
〈無知の源:教会の教え〉
〈村長の心:罪悪感+保身+周囲の目〉
〈ミアへの印象:魔族=危険という思い込み〉

(……なるほど。
こいつら、ただ“知らないもの”を怖がってるだけだな)


■ おっさん、静かに踏み込む

俺は村長の前に立った。

「村長さん、ひとつ聞きたい。
ミアが“具体的に何をした”っていうんだ?」

村長は目をそらす。

「な、なにも……しては……いない。
だが!魔力が見えたんだ!
こんな田舎に魔族がいたら──
いつ暴走するかわからん!」

下を向くミアの背中が、小刻みに震える。

俺の中で何かが決定的に切れた。


■ おっさん、静かにキレる

「じゃあ聞くけど──」

俺は低い声で村長に詰め寄る。

「“いつか暴走するかもしれない人”は、
村から追放していいのか?」

村長「なっ……!」

「じゃあ怒りっぽい奴は?
怪我しやすいやつは?
力の強いやつは?
不器用なやつは?
弱い奴は?」

村長「それは……!」

「ミアは何もしていない。
ただ“違う”ってだけで怖がったんだろ?」

村にざわめきが広がる。

村人A「そ、そりゃ……まあ……」

村人B「……だって魔族だし……」

俺は一歩前に出た。

「俺はミアと一緒にいて分かったよ。
ミアは、誰より優しくて、誰より怖がりで、
誰より“傷つきやすい子”だ」

ミアがハッと俺を見る。

俺は続けた。

「そんな子を、
“理由もなく”追い出したのは──村の方だ」

村に重い沈黙が降りる。


■ 追放の“本当の理由の欠片”

そのとき、
村長の心の奥に“ノイズのような違和感”が見えた。

〈本当の理由:隠蔽〉
〈事件:村では語られない“ある出来事”〉
〈ミアの存在が脅威となる理由:別にある〉

(……まだ何か“ある”な)

トライ・アナライズが告げる。

ミアは追放された。
だがそれは“魔族だから”ではない。

もっと深い事情がある。


■ 本音を漏らす村長

村長は顔を青くして呟いた。

「すまん……ミア……
わしらは、お前を守るつもりで……」

ミア「え……?」

「……お前を村に置いておけば、
“あの組織”に目をつけられる……
それだけは、避けたくて……!」

「あの組織?」

村人たちが口々に囁く。

「あの人達に逆らったら村が……」
「巻き込まれるのだけは……」
「ミアちゃんを置いとくと……狙われる……」

(……組織?)

トライ・アナライズが微かに光り、
村長の心の奥から“名前”が浮かぶ。


■ 世界観の核心へつながる新ワード

〈教会騎士団〉

(……やっぱりこの世界、歪んでる。)


💧ミアの涙

「わたし……守られたの……?
追い出されたんじゃなくて……?」

村長は土下座した。

「すまん……すまん……
わしらは怖かった……だが、お前が悪いわけじゃない!」

ミアは泣き崩れる。

俺はそっと肩に手を置いて言った。

「ミア。
お前は、誰にも否定される存在じゃない」


そして話は「第2章:ギルドと世界の歪み」へと続く

第5話:「教会騎士団の影」

第3話:「ミアの秘密と追放」

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